学生時代から、社会人の3年目くらいまでのこと。 私は「予定が空いている=なんだか無駄な時間を過ごしている」という強迫観念のような思いを、ずっと頭の片隅に抱えていました。
誰かに誘われれば「行った方が楽しいに決まっている」と、学校や仕事以外の時間をとにかくギチギチに予定で埋め尽くす生活。当時はSNSもやっていたため、今振り返ると本当にどうしようもない、しょうもない「充実していると思われたい、思いたかった」という見栄が、そこには確かにありました。
「一度断ったら、もう二度と誘われないんじゃないか」「相手を嫌な気持ちにさせてしまうんじゃないか」
そんな不安に怯えながら、スケジュール帳の空白を埋めることに必死だった私が、今ではあえて予定が空いていたとしても「予定を入れない」というコントロールができるようになりました。
今回は、私が他人軸の忙しさを手放し、自分の時間の手綱を自分で握り直せるようになるまでの実験のプロセスと、今まさに試している具体的な方法についてお話しします。
【転勤という転機】強制的に「ひたすら時間が余る環境」に放り込まれて気づいたこと
そんな私のライフスタイルがガラリと変わったきっかけは、社会人3年目のタイミングで訪れた「転勤」でした。
知り合いも誰もいない、右も左もわからない新しい環境。これまで平日の夜や土日のほとんどを友人たちと過ごしていた生活が、環境の変化によって一瞬にしてゼロになりました。
そこで私に起こったのは、「ひたすら時間が余る」という、これまで経験したことのない事態でした。今まで予定で必死に埋めていたものがなくなり、ポッカリと大きな空白ができたのです。
しかし、その強制的な空白のおかげで、私はひとつの大切なことに気づくことができました。 「自分には、こんなにたくさんの時間があったんだ」と。
それからの日々は、余った時間を埋めるかのように、自分自身と向き合う「内省」の時間がとてつもなく増えました。そこでこれまでの人生を見直すことができたし、頭の中を整理することもできた。自分が今、探しているものや、将来に何をしたいのかをじっくりと考える習慣が、このとき初めて作られたのだと思います。
【How to:手順編】時間の手綱を自分で握るための、具体的な2つのステップ
では、かつて流されるままに予定を埋めていた私が、具体的にどうやって「時間の手綱を握り直す」という実験をしているのか。私が日々取り入れているステップをご紹介します。
ステップ1:カレンダーに「自分の予定」を先に登録してしまう
誰かの予定でスケジュールが埋まる前に、私は「この日はジムに行く」「この日は映画を見る」「この日はゆっくりする」といった自分だけの時間を、あらかじめカレンダーに記入して先手を打つようにしています。 (ただ、これを続けていると、必然的に誘われる回数そのものがちょっと減ってくるという現象も起きます笑。そうなるとカレンダーに登録しなくても、自然と自分の時間が生まれるようになってきます)
ステップ2:断る時は「別日を提案」して主導権を渡さない
誘いをただ断るだけだと、関係が切れてしまう不安がありますよね。そこで私は、お断りする時に必ず「その日は難しいんだけど、代わりに◯日か◯日はどう?」と別日を提案するようにしています。もし代替案がパッと出せない時は、後日自分から誘い直したりもます(そもそも行きたくない人なら誘い直さなくてもOK)。 大切なのは、「あくまで自分がこの予定を作ったんだ」という感覚(主導権)を持つこと。これによって、大切な人間関係を心地よく維持しながら、自分の時間を守ることができると考えています。
また、全部を完璧にコントロールしようとするとしんどくなるので、私は「人生の10%〜20%くらいは、自分以外の人によって動かされる時間でいい」という、あえて適度なゆとり(余白)を持たせるようにしています。自分で行ったことのないお店に行ったり、普段話さない人と話すことは、視野や価値観を広げる素晴らしいチャンスでもあるからです。
【How to:過ごし方編】空いた時間を目的のない時間に吸い取られないための「時間別メニュー」
そしてもう一つ、今まさに私も現在進行形で課題としてトライしている「ちょっとした工夫」があります。せっかく作った「何もしない時間」を、目的のないSNSやスマホのダラダラに吸い取られないための工夫です。
それは、「暇な時間(余白)ができたらこれをする」という選択肢を、あらかじめ自分の頭の中にリストアップしておくことです。
この記事を書きながら、私自身も頭の中を整理してみたのですが、スキマ時間の長さに合わせて以下のようなメニューを持っておくと、無駄にスマホを開くのを防げるのではないか、という仮説を立てています。
- 「5分」の空き時間: 簡単な掃除をする、腕立て伏せ5回、スクワット5回、瞑想をする、本を1ページだけ読む、背伸びをする、5分だけ漫才やコントを観る
- 「30分」の空き時間: 断捨離・水回りの掃除をする、調べ物をする、コーヒーを入れてほのぼのする、仕事の勉強や英語学習を進める
- 「1時間以上」の空き時間: お気に入りの定番カフェで夜ゆっくり本を読む、ジムに行って体を動かす、映画を1本じっくり観る、湯船にゆっくり浸かる、何の目的もなく散歩に出かける(春の桜や秋の紅葉など、綺麗なスポットをただ探索するのは最高に贅沢な感覚です)
時間が空いた時に「何しようかな」と迷うから目的も無くスマホに手が伸びてしまう。だからこそ、このリストの中から「今はこれをやろう」と選べる状態を常に作っておくことが、暮らしの質を上げるハックになるのではないか、と実験を始めています。
【あの頃の場所に、今の自分で戻る】一度味わったゆとりは、もう手放さない
そして今、私は大きな変化の中にいます。 実は、社会人3年目までともに過ごした、あの「長い付き合いの友人たちがいる環境」へ、私は今、戻ってきて生活をしています。
もし、あの転勤というきっかけがなく、ずっと同じ場所にいたらどうなっていただろう、と思うことがあります。きっと私は、今も変わらず、自分の時間を自分でコントロールする術を知らないまま、見栄や不安に流されるように時間を埋め続けていたはずです。
でも、3年目以降に「時間を自分でコントロールする感覚」を培った今の私は、大好きな仲間たちのもとに戻ってきた今も、かつてのようにスケジュールを無意味に埋めるようなことはしていません。
仲間との時間は相変わらず大切にしながらも、自分の意思で「何もしない時間」をしっかりと確保する。大好きな人たちと、より良い距離感で、もっと心地よく付き合えるようになりました。
自分の時間を自分で確保できるという「余裕」は、一度味わえば味わうほど、もう二度と手放したくないなと心から思います。「自分の人生の主導権を、今、自分の手に持っている」というこの感覚を、私はこれからもずっと、大切に得られるようにしていきたいです。
まとめ:次の週末、1時間だけでも「空白」を作ってみませんか?
完璧にすべての誘いを断る必要も、完全に引きこもる必要もありません。
まずは次の週末、スケジュール帳の中に「何もしない」という、あなただけの予定を1時間だけでも書き込んでみませんか?そして、もし時間が空いたらやるための「5分・30分の小さなメニュー」を、一つだけ思い浮かべてみてください。
それは時間を無駄にすることではなく、自分の人生を自分の手でコントロールし、大切な内省とリラックスの時間を自分にプレゼントする、とても素敵な実験です。
私もまだまだ、夜のスマホなど課題だらけで、実験の途中にいます。他人の目を気にする見栄をそっと脇に置いて、少しずつ、自分だけの心地よい生活の余白を一緒に広げていきましょう。


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