毎朝の満員電車や激しい渋滞。 会社の指定やご家庭の事情などで、「どうしてもその環境で移動せざるを得ない」という現実のなか、毎日を必死に頑張っている方が本当にたくさんいらっしゃいます。その姿を見るたびに、私は心から「本当にすごいな」と尊敬の念を抱かずにはいられません。
なぜなら私自身は、人混みが得意ではないこともあり、あの移動のストレスに直面すると朝からエネルギーを完全に奪われてしまう、とても打たれ弱い人間だからです。
今回は、学生時代の長い移動でヘトヘトになり、「移動時間を有意義に過ごすこと」を半ば諦めた私が、社会人になってから「職場の近くに住む」という実験を繰り返し、さらにそこから将来をどう逆算して今の暮らしを選んでいるのか、一つの選択肢として私なりの等身大のお話を共有させてください。
【過去の苦い経験】片道2時間の通学で分かった、移動時間に生産性を求める限界
振り返ってみると、私は子供の頃から「移動」に対してあまり良いイメージを持っていませんでした。実家がある場所は小・中学校がすごく遠く、いつも集団下校の最後まで自分が残り、一人でトボトボと家に向かうような環境でした。
さらに、高校生になると自分で選んだ道とはいえ、地元から片道2時間近くかかる学校へ通うことになります。 よく「電車の中は長いんだから、勉強したり有意義に過ごせるはずだ」という意見を耳にしますし、私もそうしようと試みた時期はありました。
ですが、当時の私の意識がそこまで高くなかったこともあり、現実にはそんなに上手くはいきませんでした。 部活を終えて夜9時過ぎにヘトヘトになって帰宅し、ご飯とお風呂を済ませて寝て、翌朝はまた5時や6時に起きる。そんな生活を繰り返している中で、片道2時間の電車内で集中して勉強するというのは、私にとっては体力的にも精神的にも限界がありました。
この経験から、私は「移動時間を無理に有意義に使うのは、私という人間には難しい。それなら、最初から移動時間を極限まで少なくした方がいいのかもしれない」と考えるようになったのです。
【ささやかなご褒美】狭さ・家賃より、「時間があること」を選んで試した結果
大学時代に学校から徒歩10分の場所で一人暮らしを始めたとき、私の世界はガラリと変わりました。 「1日の中に、こんなにも自由な時間があるのか」と、本当に痛感をしました。
それ以来、社会人になってからも、私は職場までドア・トゥ・ドアで30分以内、一番近いときでは10分以内という場所にこだわり、住む場所を選び続けています。
「会社の近くは家賃が高い」「部屋が狭くなる(東京時代は8㎡ほどの部屋でした)」といったデメリットはもちろんあります。それでも、学校や職場に近ければ近いほど、自分の時間を自分の手に取り戻し、コントロールできる幸福感は、私にとって何物にも代えがたいものでした。
劇的に何か有意義なことをしているわけではありません。 ただ、たとえ仕事で残業があったとしても、家に帰って自分でご飯を作る時間がある。ジムに行って体を動かす時間がある。夜9時に帰ってきたとしても、10時までには食事やシャワーを済ませてベッドに入れる。
そんな、ちょっとした「自分のペースを守れる幸せな時間」を少しずつ確保できること。それだけで、日々の暮らしの快適さは見違えるほど良くなるのではないか、というのが私の一つの実感です。
【人生の逆算】東京という好奇心の先で、これからの幸せをシミュレーションしてみる
社会人になってから、私は「最も人生の選択肢が多い街」である東京での生活も経験しました。世界で最も優れた都市の一つを自分の目で見てみたい、というほんの小さな好奇心から選んだ街でしたが、そこでの暮らしは本当に刺激的で素晴らしいものでした。
ただ一方で、私は20代の頃から、「将来もし結婚をして、子供を授かったとしたら、どんな家族像を築きたいか」という未来を、少しずつ頭の中でシミュレーションするようにもなっていました。
東京で会社の近くに住み続けようとすると、自分の手の届く収入の範囲では、どうしても住宅の広さに窮屈さを感じてしまうかもしれない。逆に、広い家を求めようとすると、今度は会社から遠くなり、あの長い通勤電車のストレスや、家族と過ごす時間が少なくなってしまう未来が待っている。それは、想像するのにそれほど難しいことではありませんでした。(当時は恋人も居ない中でこんなシミュレーションをしてました笑)
そんなとき、私は「自分がやりたい仕事やライフスタイルは、必ずしも東京でなくてもできる」ということに気がついたのです。もともと東京に住んだのは好奇心。そこに葛藤や怖さは特にありませんでした。
東京には仕事ができるカッコいい人がたくさんいて、その繋がりも大事でしたが、同時に私は「学生時代のように、心の奥底からくだらないことで笑い合える友達という存在」が、自分の人生においてとても大きなウェイトを占めていることにも気づいていました。
もし私が学生時代を東京で過ごしていたら、そのまま東京にいたかもしれません。ですが、私の大切な仲間たちが多く集まる場所は、別のところにありました。だったら、その大切な関係を維持しながら、家族としての幸せな広さや時間も両立できる環境へシフトした方が、自分にとっての「正解」に近づけるのではないか。そう考えて、今も実験を続けています。
まとめ:あなたにとっての「買い戻したい時間」はどこにありますか?
住まい選びや移動の仕方に、誰にとっても完璧な「唯一の正解」はありません。それぞれの仕事の状況や、ご家庭の事情によって、選ばざるを得ない現実がそこにはあるからです。
ただ、もし「毎日の移動だけでエネルギーを使い果たしてしまって、人生がちょっと味気ないな」と感じている方がいらっしゃれば、一度だけ、ご自身の理想の未来から逆算して、少しだけ環境を変えてみるシミュレーションをしてみるのも面白いかもしれません。
部屋の広さを少し妥協して職場の近くに住んでみる。 あるいは、自分が本当に大切にしたい「友達」や「家族との時間」を中心に据えて、住む地域そのものを見直してみる。
ほんの少しだけ選択肢の扉を開けてみるだけで、日々の生活に心地よいゆとりが戻ってくるきっかけになるのではないか、と私は考えています。

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