はじめに:1馬力では厳しい時代、家事分担のルール設計が家庭を左右する
物価高騰や社会保険料の負担増、賃金が劇的には伸びにくい現代において、1馬力だけで家庭を維持するのは難易度が高く、共働きを選択せざるを得ない世帯が増えています。
私たち夫婦も共働きです。現在は子どもがいないため、一人暮らし時代と比べて家事の絶対量が爆発的に増えたわけではありませんが(と自分に言い聞かせていますが)、それでも異なる二人が共同生活を営む以上、「家庭内のタスクをどう振り分けるか」というルール設計は避けて通れません。
世間にはさまざまな分担方法がありますが、家庭の数だけ正解があり、一覧化したガイドブックが欲しくなるほど奥が深いテーマです。
そんな中、タスク配分の決め方としてシンプルかつ非常に合理的で衝撃を受けたのが、お笑い芸人の横澤夏子さんが実践されているアプローチでした。
この記事では、感情論を排して不満を防ぐ「家事ドラフト制」の構造を分解し、共働き家庭におけるタスク配分の最適解について思考を整理します。
横澤夏子さん流「苦痛度スコアリング」の仕組み
この方法の肝は、「家事の好き嫌い」を感覚ではなく数値化して比較することにあります。
ステップ1:家庭内の家事タスクを書き出す
まずは料理、洗濯、風呂掃除、ゴミ捨て、名もなき家事など、日常で発生するタスクをリストアップします(例:10個程度)。
ステップ2:各自で「苦痛度」を1〜10点で採点する
書き出した各タスクに対し、夫婦それぞれが自分の「苦痛度」を基準に点数をつけます。
- 1点:まったく苦にならない家事
- 10点:死ぬほどやりたくない家事
ステップ3:点数を開示し、「低い方」が担当する
採点後、お互いの点数を一斉にオープンします。
- 例1【料理】:夫「2点」 vs 妻「5点」 ➔ 点数の低い夫が担当
- 例2【風呂掃除】:夫「7点」 vs 妻「1点」 ➔ 点数の低い妻が担当
なぜこのシステムは不公平感を生まないのか?
このルールの優れている点は、家事分担で最も揉めやすい「感情的な押し付け合い」を構造的に排除できる点にあります。
① 「絶対やりたくない地雷タスク」を自然に回避できる
人間には誰しも「これだけは本当にやりたくない」という苦手分野があります。相手にとって苦痛度が10(耐え難い)の作業を、自分にとって3(まあやってもいい)の作業と交換できれば、主観的な幸福度を保ったまま分担が成立します。「片方の苦手な穴を、もう片方の得意が埋める」という理想的なチームプレーが仕組みとして完成します。
② タスクの「総量」ではなく「心理的負荷」で折半できる
家事分担を単なる「個数(5個ずつ)」や「作業時間」で均等にしようとすると、「料理は時間がかかるのに、ゴミ捨てと対等なのはおかしい」といった不満が生じがちです。苦痛度という心理的コストをベースに配分することで、結果的にお互いの納得感が高まります。
※もし「お互いに8点以上」のように双方が強い苦痛を感じるタスクが出てきた場合は、「二人で協力してやる」または「外注・便利家電に頼る対象」として明確に切り分けられるのも大きな利点です。
で、我が家はどうしているのか?
ここまで横澤さん方式のスマートさを絶賛してきましたが、では私たち夫婦がこれを厳密に導入しているかというと、実は「力技の全折半(気づいた方が柔軟にやる)」を貫いています。
「お互いに一人暮らし時代は全部自分で回せていたのだから、二人になっても柔軟にカバーし合おう」という合意のもと、日々の余力に応じて拾い合っているのが現状です。
しかし、この「全折半運用」が成立しているのは、お互いが相手の状況を察して動く意識がある間だけです。もし今後、生活環境の変化や仕事の繁忙でバランスが崩れ、「なんで自分ばかり」という空気が漂い始めたら、この「苦痛度スコアリング」を真っ先に導入する切り札としてストックしています。
まとめ:正解を競うのではなく、仕組みでストレスを逃がす
共働き生活を円滑に回すためのポイントは、我慢や相手への忖度ではなく「納得できるルールを設計すること」です。
- 家事タスクを可視化し、各自の「苦痛度」を客観的な数値にする
- 点数が低い(苦にならない)方を担当に据え、地雷タスクを避ける
- 無理に固定せず全折半にする場合も、行き詰まった時の「別解」を持っておく
お互いの凸凹をうまく補い合い、家庭内の摩擦を最小限に抑えること。感情論でぶつかり合う前に、こうした優れた仕組みの知恵を借りながら、チームとしての生活を整えていきたいところです。

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